キンキンと冷えた空気で耳が取れそう。私はニットキャップを深く被り直した。
霜のおりた道端の草を眺めながら歩くのが、冬の唯一の愉しみ。冬には放射状の葉を地面に這わせるように広げる植物たちがいる。ロゼットと呼ばれるそれは、彩度を落とした景色の中で、大輪の花のようにも、惑星のようにも見える。
ひとり俯いて歩いては立ち止まって、草を眺めてニヤつく。ニヤニヤに合わせて白い息が漂って消える。
傍目にきっと随分あやしかろろうと思うけど、私の心は地べたの宇宙にあるので、なにも気にしない。
『凍てつく星空』
12/1/2025, 2:04:53 PM