NoName

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忘れな草の名前だけは知っている。名前の割に印象深くて覚え易い。自分のことなど百年さきどころかもっと短くても誰も覚えてないだろうが勿忘草はきっと百年先でも生えているだろう。調べてみると美しいブルーの花弁が随分と艶やかだ。忘れな草には紫色のイメージがあった、なんとなくその名前から寂しさのような感情を感じてそこに紫色を連想した自分の感覚が不思議だった。自分の中で紫色が寂しさと繋がるともあまり思っていなかったからだ。小さな花に自分の感性のようなものを自覚するきっかけもらったことに感謝しつつ庭の手入れにそれを摘む、随分と広がってしまった姿は忘れな草と言いつつ主張が強くて忘れられなさそうである。

2/2/2024, 7:05:13 PM