NoName#s81

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花と聞いてぱっと思い浮かぶものの多くが、街路樹の花だ。今は、二月の末。梅が青空に映え、蕾の膨らみだした白木蓮が目につく季節だ。そして桜が咲き、次いでハナミズキ、つつじ。やがて百日紅が咲けばもう夏だ。
どうにも街路樹に偏ってしまうのは、私が日常的に運転をする仕事をしているからだと思う。こういう仕事をする時に、街路樹の名前を知っておくと、景色の見え方が変わって楽しいからだ。景色の移り変わりが、目に見えるようになるのでだ。

さて。一輪の花、というお題だ。前述の通り、私は花というと街路樹ばかり思い浮かべてしまう。大抵、彼らは一度に多くの花をつける。一輪だけで咲く花というのを、私はあまり思い浮かべられなかった。そういえば水仙の季節だが、あれらも群れて咲く印象が強い。百合も、群生のイメージがある。ひまわりも、ひまわり畑のイメージばかり根強くある。
自然に咲くものであれ、誰かが植えたものであれ、花が一輪だけある状況というのが思い浮かばない。あるとしたら、それは室内だろうか。室内の、一輪挿しと、花。これらがパッと浮かばなかったのは、私が部屋に花を飾るという習慣を持たないからだろうか。

一輪の花。ときに可憐な女性などを喩えていう言葉でもある。私がこの言葉に儚げなイメージを持つのは、摘んできた花だという文脈が、頭のどこかにあるからなのかもしれない。

#一輪の花

2/25/2025, 4:02:16 AM