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砂時計の音、それは、静寂の音ではなく、一つ、

また、一つの秒針を砂で表すようになっていき、

忘れないように、今日も反対にして、砂が落ちる

その何とも言えない、そのものが、落ち着く音、

私には、誰も音をくれない、自分は、一人ぼっち

この冷たい檻の中で、唯一の楽しみであり、

同時に時間を示して、今日という一日を経過を、

知らせてくれる、大切な宝物なのだ。

でも、もう使えないよね、自分は、最後だから。

明日、自分の処刑が、決まっているからだ。

本当は、冤罪なのに、誰も信じてくれやしない、

だって、自分は身分も低いから、ボロボロだし、

余計に、怪しまれても、しょうがないだろう。

まぁ、こんなにも、寂しくて、寒くて、冷たくて

美味しくもないご飯とただ何も出来ない時間だけ

それだけが、過ぎていくから、虚しくなって来る

でも、いいや、寝よう。明日は、明日で、また、

考えてみようと思い、眠っていたら、次の日に、

なってしまったけども、本当は、もう少しだけ、

寝ていたかったが、どうしても、無理らしい。

諦めて、檻から出されたら、所謂、有名なあの、

'最後の晩餐に何が食べたいか。'という質問が、

聞こえたので、最後に食べるならと思い、

'温かいシチューと柔らかいパンが欲しいです。'

そう言ったら、直ぐに出してくれた。

とても、美味しかった。でも、これで、最後だ。

後悔はない、冷たくて美味しくない残飯よりは、

かなりいい食事だった。処刑の方法は、意外にも

魔女狩りのように、火炙りの刑に処されると、

処刑人から言われたが、普通の処刑人とは、

ちょっと訳あって違うらしいが、自分を処刑する

その事は変わらないと、冷淡なことを言いながら

自分を縛っていながら、手錠の鍵を手に渡して、

'それを使って開けられたら、助けてあげよう。'

そんな、囁きをされてしまった。

良いのか?自分がと思ってしまったが、処刑は、

直ぐ目の前にある、体が勝手に動いてしまった。

手錠の鍵を使って、手錠を取り、外れたのを、

処刑人が確認し、直ぐに私の縄をほどいてくれた

'処刑人が罪人を解放したぞ!捕まえろ!'

そんな声が聞こえる中、処刑人のフードを取り、

本当の正体を見せて、こう言って、市民や衛兵、

王族さえも、震え上がらせていた。







"俺の名は、ヴィルドナである。一応これでも、

一世界の破壊神だ。この娘に手出しする者、

全て破壊しても構わないがどうしたいかは、

おまえ達次第だが、どうしたいんだ、愚民達よ?"







そんなにも、堂々と言えるものだから、私も、

思わず震え上がらせてしまったが、次の瞬間、

彼の顔は、穏やかな顔へと戻っていった。

'待たせて悪かったな。もう、君を苦しませない。

この俺が誓う。何ともするから、離れないでくれ'

あ、そういえば、昔にひ弱な男の子を助けてから

自分の方に不幸が写ってしまったことが、

思い出してしまったから、あの子かと驚き、

思わず抱き合ってしまった、彼は驚いていたが、

思い出してくれたことを嬉しそうに微笑んで、

そのまま、彼の家に暮らして幸せに今も大切に、

二人の道を歩んでいます、あの日々がもう、

戻ってこないけれども、この砂時計のおかげで、

彼とも、出会えたのかもしれないと思い、

少しだけ、感謝を込めて、あの砂時計に、

思いを馳せる。ハッピーエンドなんて、ないと、

そう思っていたけれども、あったんだね。

みんなは、どう思うのかな?

色んな意見が聞きたいから、お話しようね。

それでは、私のお話は終わりだよ。

寝る子はちゃんと寝てね。

起きている子は、ちゃんと起きてね。

お昼でボーッとしているなら、シャキッとね。

楽しく一日を過ごせることを祈っているから、

安心して、過ごしてね。それじゃ、またね。

10/17/2025, 1:53:10 PM