風雪 武士

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青森県のとあるレストラン。
駐車場に雪が積もっている。
雪かきをしなければお客様の車は出発できない。
大雪の時は深夜と早朝にやる。
僕はママさんダンプを使い、1時間かけて雪かきを終えてホテルに入館した。
「寒い中お疲れ様、あなたのお陰でみんな助かってるよ。ホットココア飲んで温まってね」
僕が防寒着を脱いでいるとなっちゃんがコ−ヒカップを差し出した。
「ありがとう、体の芯から温まるよ」
僕はホットココアを飲んでお礼を言った。
…なんて事は一度もなかった。
雪かきは基本その時間に勤務しているフロントの仕事。
「これも人生経験だし、仕事だからたまには雪かきやってみるか?」
僕は外国人従業員に言った。
「あっ、レストランの仕事あるんで」
「腰が痛いんで、止めときます」
外国人従業員は若いし、僕も腰が痛いんだけどな…。
あれ?こういう肉体労働は外国人従業員が頑張って、日本人が楽するんじゃなかったけ??
確かそんなシステムだったと思ったが、個人的にそういうは好きではないので1シ−ズン自力でやりきった。
青森は冬が大変だが、街の人は優しいし、食べ物が美味しいので、恋人が出来れば青森県民として雪と共に生きる決心はしていたが、そんなドラマチックは事はなかったので色々あって異動した。
とてもいい経験だった。

※ママさんダンプとは車輪のない台車。
力を入れずに楽に雪かきが出来る。
発明した人は偉大です。

1/12/2026, 4:59:48 AM