とある恋人たちの日常。

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 眩い太陽の元、プールで恋人とのデート。
 恋人の水着姿も太陽より眩くて、本当に目がつぶれそうです。
 スタイルの良い彼女の水着姿を他の男共に晒すのは嫌過ぎるんだけど、今年の水着は胸元に大きなヒラヒラが付いたオフショルダーのワンピースで余り気にならない。
 
 何より彼女は白が似合うから、とてもとても可愛いです。
 
 尊くて彼女に向かって両手を合わせていると怪訝な顔の彼女が首を傾げた。
 
「どうしたんですか?」
「あ、いや。可愛いからありがたくて」
 
 彼女がほんのりと頬を赤らめてから眉を八の字にして笑う。
 
 うーん、可愛い。
 
 彼女の愛らしさに頷いているとグラりと視界がゆがむ。
 
 熱中症?
 このまま倒れるのはまずいと思いながら視界が暗くなった。
 
 ――
 
 浮遊感に驚いて、身体中がビクリと動いて目が覚めた。のと同時に俺は床に落ちる。
 
「大丈夫ですか!?」
 
 周りを見回すと家のリビング。隣にはソファがあるから、ソファから盛大に落ちたのかもしれない。
 しかもよく見ると、ソファにはカーテンの隙間から日差しが入ってきる。もしかしたら俺は光から逃げようとして落ちたのかもしれない。
 
 彼女も慌てた顔で俺のそばに来てくれた。
 じゃあ、あの水着とデートは……夢?
 
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、うん。大丈夫ソファから落ちたみたい」
 
 彼女に笑顔を向けると、ホッとした顔をしてくれる。
 
「心配させて、ごめんね」
「いいえ。怪我していませんか?」
 
 俺は身体を動かして痛みがあるか確認をしてみるけれど、特に痛みは感じられなかった。
 
「大丈夫。痛みはなさそう」
「良かった」
 
 ふわりと微笑んでくれる彼女を見て、夢の中で見た彼女の笑顔を思い出す。
 だから俺は彼女に、こう誘った。
 
「今年はプール。行く?」
 
 
 
おわり
 
 
 
四二六、真昼の夢

7/16/2025, 12:41:54 PM