〈消えた星図〉
子供の頃、星を見るのが好きだった。
星の本を読み漁り、毎晩窓から夜空を眺めていた。
何度も見た星図はほぼ暗記し、
私の心にはっきり刻まれていた。
しかし、大きくなり、星の見えにくい街に引っ越し、
慌ただしい日々のを送る中で
私の星への興味は次第に失われていき、
心の中の星図はいつの間にか消えてしまった。
高校生になり、多くの友達が出来た。
その中に星が大好きな子がいた。
彼女が見せてくれた夜空の写真は幻想的で美しく、
星が好きで毎日が輝いていたあの頃を思い出した。
部活で畑が広がる場所に来た時、
久しぶりに星を眺めてみた。
見覚えのある形が散らばっていた。
心の中の消えかかっていた星図が
再び光出したような気がした。
10/17/2025, 9:58:14 AM