NoName

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日々は、必要としない言葉と知識に曝され続け、少しずつ蝕まれてゆく。手元の板を放り投げ、受け取ることばかり得意になった感性を手放した時、ようやく自分は1人になった気がした。
血迷って聴講した凄腕コンサルタントの欠伸が出るほどありがたいお話を思い出す。不細工な面をしていたな。気色悪い言葉選びだったな。ぶん殴ってやれば死ぬのだろうな。社会への貢献も、挑戦も、もうご苦労な事で。喉から手が出るほど欲しかった「上」は、人間的な魅力を保証するものではないという事を、ようやく思い出した。
ヒエラルキーを横目に、コンビニへ続く街灯の下を歩き出した。

5/16/2025, 3:44:41 PM