「喪失感」
これはフィクション 作 アイ
私は最近喪失感を感じる、何か大切なことを忘れているような…まぁそのうち思い出すよね
高校2年生の時、私は事故にあった
横断歩道を渡ろうとしていたところを信号無視したトラックが突っ込んできたらしい。全治6ヶ月の大怪我を負った。
この時からだっけ…何となく喪失感を感じるようになった
怪我がある程度治り、退院していつも通りの生活が始まった。
友達にいろいろ聞かれると思っていたけど誰も事故のことについて何も聞いてこない。
事故についてどころか休んだ理由すらも…
私は変だなと思ったけどまあいっかと何事も無かったように過ごした。
何週間かした後やっぱり気になるから、聞いてみることにした。
ねえ、どうしてもみんな何も聞かないの?
どうしてってなんのこと?
ほら、あの事故のことだよ!
え…なんでって、ねえ…
みんなが言葉をつまらせる。そんな中1人が口を開いた
アイ、ほんとに言ってるの?、みんなアイに気づかってくれてたんだよ
え、どういうこと?私、怪我しただけだしそんな気遣うことなんてあったっけ
怪我しただけだしって…その怪我だけですんだのは誰のおかげだと思ってるの?!
誰って…私はたまたま助かって、
喋り終わる前に次の言葉が飛んでくる
あんたが助かったのは〇〇くんのおかげでしょ!?
自分の彼氏が死んだって言うのに悲しくないの?
〇〇…?…かれ、し?…
そのとき、全部思い出した
私がトラックにひかれそうになったとき〇〇が助けてくれたことを…〇〇は私の初めてな彼氏だった
優しくて明るい人だった
え…死んだって、
〇〇くんはあんたを助けてかわりにトラックに引かれたんだよ?、覚えてないわけないよね
気がついたら涙が溢れていた。私が忘れていたもの、それは死んだ彼氏だったみたい
喪失感end…
9/10/2024, 2:38:40 PM