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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第十一話」

学校に登校して、教室に入った志那は、自分の席に着いた。すると、由里がやって来た。由里は、ベージュの肌、焦げ茶色の目、髪型は、茶髪のセミロングヘアで、左脳側にみつ編みをしていて、中肉中背、ガーリーファッションのフレンドリーな女子です。
「志那、昨日の歌番組見た?斉木君出てたからスゴイハイテンションになっちゃってさ…」
「へー…」
「…志那、何かあったの?」
由里は不思議そうに志那を見ました。
「由里って、幽霊とか妖怪とか信じるタイプ?」
「何それ?怪談話?」
由里は興味津々に聞いていました。
「…実は、まったりが現実世界に来て襲いかかろうとして来て大変だったんだ…」
「は?志那、熱でもあんの?」
由里は志那を馬鹿にする様な感じで言いました。
「本当にまったりが目の前に現れて…」
「志那、You Tubeの見過ぎだって」
「そうかなぁ…?」
志那は、しょんぼりしていると、一人で座っている零也が視界に入ったので、零也の所に行きました。
「零也、昨日の夜の事、覚えてる?」
「ブワぁっプ…夜?!昨日の?」
零也は戸惑っている様子でした。
「昨日の夜は、家で動画の編集してたけど…だから、一人だったぞ?何で?」
「実は…カインドって名乗る零也みたいな幽霊が現れて、まったりをやっつけたり、空想の世界がどうとか、極地がどうとか言ってたんだけど…」

「ハァ?何だよ、ソレ?怪談話?…あ、動画のネタになりそうだな!」
「動画のネタって…」
「ちょっと、聞き取りやって…良いか?」
「ちゃんと話、聞いてよ…」
志那は、困った様子でした。
「それはそうと…」
「うん…」
「そんなゲームみたいな話は現実には無いだろ?」
零也は、冷めた口調で言いました。
「そんな酷い言い方しなくても良いじゃん…」
志那は、泣きそうでした。
「悪い。配信の仕事の課題、終わらせないとイカンから」
零也は、どっかに行ってしまいました。
「零也って、こんなに冷たいヤツなの?」
志那は、涙目になっていました。志那は、自分の席に戻りました。

「零也ー!ケイについて聞きたいって言ってたよな?最新情報があるぞ」
教室から出た遠くの方で、地雷系仲間が零也を呼びました。
「何と!新曲6曲がビルボードのトップ10にランクインだぞ!」
「マジかよ?!ケイ、スゲーじゃん!尊敬するし!」
零也は笑顔になりました。
「ケイって、17歳デビューでデビュー曲バズって億単位の再生数だろ?今は、ビルボードのトップ10独占って、マジで女神じゃん!ギフテッドの歌姫って言っても、おかしくないよな?」
零也は、嬉しそうにケイの話をし始めました。

「零也は、カインドじゃないんだね」
志那は、涙を流しました。零也の話し声は残酷にもバリアーで塞いでいても突き抜けて来る光線の様でした。
「カインドが言ってた事は、本当だったんだ…」
志那は、現実は残酷なんだなと、零也はケイの事しか頭に無いのかなと虚しさだけが残りました。
「零也は、私の事は視界に無いんだね…」
志那は、悲しい気持ちになりました。
「何で、幽霊や妖怪は私にしか見えないの?」

9/9/2022, 10:38:09 AM