割れてしまったマグカップ。 否、割ってしまったマグカップ。 慌てたように瞳に涙を溜めて、その破片に手を伸ばしたのは生涯かけて守ると決めた相手だった。 俺が止めるのも聞かずに、破片を拾い上げようとしたきみの柔い肌がいとも簡単に傷ついた。 じわと溢れ出す鮮やかな紅の液体。 俺なにやってんだ。 守ると誓っておいて、結局傷つけてるのは俺じゃないか。マグカップ #222
6/15/2025, 1:31:00 PM