しずく

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叫ぶための声は、でませんでした。
叫ぶまえに枯れてしまいました。
声を圧し殺して泣くのに慣れてしまったからでしょうか。
いつだって喉の奥に呑み込ませて、呑み込ませて、それでも苦しいときには生きているって実感する証を何度も何度も切り付けて。
そうやって言葉を呑み込んできた、口無しの私は、自分の感情すらうまく吐き出せないのです。
言いたいことはありません。
伝えたいこともありません。
口無しの私は呼吸の仕方もしらない。
あなたの理想とは違うかもしれないけど、あなたに理想をぶつけられて中途半端に歪んでしまった私だ。
こんな歪んでる人間を愛してくれる人なんていない。理想になれなかった私じゃ価値がない。もともとの手の加わってない私はもういない。
わかっている。わかっているのに、この手をすり抜けるすべてが愛に見えた。
お願いです。
生きてていいよって、私が透けていくまえに、だれでもいい。認めてください。



─声が枯れるまで─ #101

10/21/2024, 11:21:53 AM