三人で卓袱台を囲んでご飯をつつく。
その日あったことを面白おかしく話し、それを聞いてもらって笑ったり相槌を打ったり。
はたまた人生の不条理について熱く語ってみたりなんかして。
一緒になって怒ってくれたり泣いてくれたり、そういうので良いのだ。
ツキン、頭が急に痛む。温かい団欒の光景にヒビが入る。
嫌だ、やめてくれ。俺からささやかな幸せを取らないでくれ。
「おはよう」「目が覚めましたか」
痛む頭を押さえることは叶わない。後ろ手に縛られ、足首には鎖。
光を失った眼差しの二人が俺を見下ろしている。
もう一度だけでいい、あの日に戻してほしい。
今度は選択肢を間違えないから、そうすればきっと夢の続きを見られるから。
零れそうになる涙を堪えるようにして俺は再び目を固く閉じた。
12/4/2024, 10:24:59 PM