後悔はない。
悲しみもない。
この判断は間違っていないと言える。
ベランダでタバコを吸いながら言い聞かせるように反芻する言葉の数々
2日前までこの家は活気が確かにあった
心地のいい雑多の音が無くなるだけでこんなにもこの家が広いのだと実感してしまう。
付き合って、同棲して、結婚の約束もした。
多少のすれ違いも、喧嘩も有りつつ良好な関係だった
少なくとも僕はそう思っていた。
浮気するヤツは許さないとは思わない
だが受け入れることも難しく、感情のコントロールが上手くいかない。
向こうも悪いが、きっと自分が悪い
大切に接してなかったのかもしれない
愛をちゃんと伝えてなかったかもしれない
一緒にいても楽しいとは思えなかったかもしれない
8割ほどはきっと僕がわるいのだ、この決断を含め。
自己嫌悪が僕を襲う。
冷静に考えれば、好きという感情も愛してるという気持ちもなかったのかもしれない
肌を撫ぜる風が、ぐちゃぐちゃになった思考を冷静にする。
ぽっかりと体の中心に空いた穴は、悲しみでは無いことを知っている。
これは、きっと間違いなく、喪失感というものだろう
飲みかけの酒を煽り、持つ1本タバコに火をつける
『喪失感』
9/11/2024, 3:44:08 AM