何時からだろう。隣に君がいることが当たり前になったのは。
独りが嫌いだった。
だから構ってもらいたくてわざとバカなこともしたし、人がいるところに押しかけもした。
それでも、どうしたって1人になる時はある。
それが、まさに今だったりするんだけどね。
大して広くもない部屋だけど、ポツンと独り取り残された感覚を覚えるには十分で。
それがどうしても嫌で、嫌で仕方なかった。
でも、それが我儘だってことも解ってた。
だって、ずっとずっと、人が怖かったから。
1人になるのは平気だった。でも、独りにされるのは怖かった。
1人でいることを望んだのは自分だから、独りになることはどうしても避けられないことなのに。
それでも、怖くて、寂しくて。部屋の隅っこで丸くなって、時間が過ぎるのを待ってることしかできなかった。
だけどーーー。
「ちょっ……灯りも着けないで何してんだ!!」
聞き慣れた君の声に、どれだけ救われたか。きっと君は知らないし、言うつもりもない。
理由を知ったら、きっと君は呆れた顔でため息を吐くだろうから。
ただ言えることは、その日以降独りぼっちになることはなくなった。
何時だって君が隣にいてくれる。
呆れたように、困ったように、戸惑ったように笑って、仕方ないなぁって言いたげに、隣にいてくれるんだ。
隣が温かいだけで、こんなにも安心できるなんて思わなかった。
きっと、君だからそう思えたのかも。君以外の人だったら、きっと安心なんてできなかった。
本当、1人を望んだ先に”二人ぼっち”の幸せが待っていたなんて、面白い皮肉があるもんだよね?
二人ぼっち
3/21/2023, 2:25:00 PM