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お題:光と闇の狭間で

 私は今、罪深いことをしようとしている。
時刻は午前二時、生物は眠りつき、あたりは一面静寂に包まれている。
 私は火を焚べている。
周りは真っ暗闇の中、火をつけた周囲が明々と明るい。
冬が近づいてきてるのか。
風が吹き込むたびに、私から体温を奪っていく。

 なぜこんな夜中に火を焚べているのか、疑問に思った方もいるだろう。
簡単に言えば友人とキャンプに行くはずだった。
しかし、友人は「あたし、新しい彼氏出来たからソロキャン楽しみなよ☆」とドタキャンされたのだ。 
その後、友人のSNSが更新されたので、見ると友人の新しい彼氏は私の元彼だった。

 キャンプ場には予約を取った、取り消すと取り消し料が発生する。唯一救いだったのが人数変更が可能だったことだ。
だから私はソロキャンに来たのだった。

そして、私はキャンプを楽しんだ。
そもそもキャンプも私が彼氏と別れたから気晴らしに行こうと友人が誘ってきたのに、余りに酷い裏切りだ。

 そして現在、私は眠れないのでラーメンを食べようと火をつけて準備をしているのだ。
 辺りは暗いが、星明かりがキレイなのが救いだった。

「あぁ、恋人も友人失っちゃったな」
淡々と準備していきラーメンは完成した。
今日は失恋と友人を捨てた。
いつもラーメンは深夜に食べないが今日は特別だ。

外で食べるラーメンは、光と闇の狭間で食べるからか、いつもより食べ難かった。
「友人も恋人もお前らなんか大嫌いだ。バカー」
今日のラーメンは醤油ラーメンなのに、いつもより塩味が良く効いていた。

12/3/2023, 9:31:00 AM