紗夢(シャム)

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【溢れる気持ち】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】

2/8 PM 4:20

「星河(ほしかわ)くん、ちょっといい?」

 部活の休憩時間。
 ピアノ伴奏をしてもらっている
 星河くんに話しかけた。

「休憩が終わったら、こっちの曲を
 練習しようと思ってるの。
 お願い出来る?」
「……了解」

 渡した譜面に軽く目を通して、直ぐに頷く。
 ……まさか、今のでもう初見で伴奏を弾く
 つもりなんじゃ。
 あたしがお願いしたいのは、現段階では
 各パートの旋律の音を弾いてあげて欲しい
 というだけの事なんだけれど。

「♪キスする少し手前の
  苦しさが好きなの♪」
「――それ、誰の歌なんだ?」

 説明しようとしたら、暁の歌声と
 問いかける十詩希(としき)の声が
 聞こえてきて、星河くんの意識が
 そちらに持っていかれた。

 (……やっぱり、暁が十詩希と2人きりで
  話してるのは心配なのかしら。
  気持ちがダダ漏れだものね、十詩希)

 幼なじみ心(?)と恋心。
 星河くんは常に気持ちを抑える気がない。
 十詩希は抑えてるつもりでバレバレ。
 はっきりしているのは、どちらも
 拗らせっぷりがどうしようもないと
 いう事かもしれない。

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 合唱部員
 椎葉 寳(しいば たから) → しぃちゃん
 鹿野 十詩希(かの としき) → とっしー

2/5/2023, 5:44:17 PM