大切と大事ってなにが違う?
はっきり使い分けてはいないかなと思う。強いて言えば、大事は「価値」、大切は「思い入れ」に重きを置いている気がするくらい。
あとは、大切は濁らないけど大事はふたつも濁点が付くぶん、ちょっとだけ重々しい、かもしれない。
グリム童話の白雪姫も、昔は「ゆきじろひめ」だったのを、語感を整え取っつきやすくするため「しらゆきひめ」にした、なんてエピソードを聞いたことがある。
それはさておき、大切なもの。
私の場合はコアラのぬいぐるみ。
幼稚園に上がる前から一緒だった。
さすがに持ってないと寝られない、なんて時期は卒業したけど、それでも腕に抱いて床につく(そして朝起きると足もとに吹っ飛んでたりする。なんでだろう?)。
彼はコアラらしく木に掴まるようなポーズで座っている。それで少しななめを向いているのが、左胸に抱いたときものすごくしっくり来るのだ。安定感がはんぱない。ユーカリの大木になった気持ち。
ココア色のボディと、傷んでごわごわになった耳。破れたおなかを母が「しゅじゅつ」してくれた跡。見た目はずいぶんと薄汚れてしまった。
彼を見つけてくれたのは二番目の姉だ。親子で行った幼稚園のバザーで売られていた。隣にいた子が欲しそうにしていたので、慌てて私のところまで持ってきたという。
なにがきっかけだったかもう思い出せないけれど、コアラが好きだった。
それを家族みんな承知していたのだろう。まだ元気な頃よく可愛がってくれた祖父は、コアラのためだけに大阪の天王寺動物園へ連れていってくれた。当時家から行ける距離でコアラが見られるのはそこだけだったのだ。
父は父で淡路島のイングランドの丘へ何度も行ってくれた。せっかちな人なのに、コアラのエリアでは何十分眺めていても急かされたことがない。
鹿児島旅行で寄った平川動物公園も言わずもがな。アルバムはコアラの写真でいっぱいだ。
思い出したら寂しくなってきた。今日はちょっと早めに寝よう。
コアラ君。
朝までちゃんと腕のなかにいてね。
(大切なもの)
22:00訂正、平川動物公園は行ってました。
ユメ、リオ、バンビオ君。可愛かったなあ。
4/3/2024, 10:46:43 AM