琉架

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風に身をまかせてみると、本当に自由なのだなと感じた。どこからともなく流れてきては、私を掠め過ぎ去り行く。掴まえることは出来ないのに相手は私を捕え、翻弄し、時に笑いながら離れ、かと思えば再び私の元へやってくる。
風に通り道はない。行く先全てが道なのだから。
そう思うと、私を縛るものたちが急に馬鹿らしく思えた。人の目に縛られ、他者の思考に縛られ、生き方に縛られ、道は一つしかないという思い込みに縛られている。何故なのだろう。何故信じられないのだろう。この風のように、行きたいところへ向かい、振る舞いたいように動き、好きな扉を開けては閉め、また戻りそして背を向ける。それの何が悪いのだろうか。何故それを世間は悪し様に扱うのだろうか。私は行く術無く閉じ込められるくらいならば、閉ざされるくらいならば、いっそ大胆に開いて受け入れてやりたいと思うのだ。世が否定するものを思い切り肯定してやりたいのだ。
私が私であることは、風に身をまかせるのと同じ。

全ては風の吹くままに行けばいいのだ。

5/14/2023, 11:47:27 AM