「風が吹けば桶屋が儲かる」
風が吹く
→木々が揺れる
→銀杏の実が落ちる
→辺りが臭くなる
→犬の糞尿放置だと騒がれる
→愛犬家が攻撃を受ける
→愛犬家が反撃を行う
→犬も飼い主のために反撃する
→街中に犬の声が響き渡り、猫が警戒して身を潜める
→猫が活躍しないためネズミが増える
→ネズミが増えて桶をかじる
→桶が売れまくって桶屋が儲かる
…違うな。
こんな細い線ではなかった。
まあでも、すべては風のいたずらだ。
単なる風が、バタフライエフェクトのように、世界を変えるかもしれない。
桶屋が儲かったら、桶製造会社の株が上がって、それを利用して資産家になった男が、そのお金を使って世界を牛耳る策略を実行に移すかもしれない。
…薄い線だが。
「風のいたずら」というお題のせいで、一人の男の思考回路がグルグルと回ってる。
そのいたずらを真に受けたら、きっと奇想天外な傑作が生まれるものと信じて。
だが、今宵の風は冷たく、回り続けていた思考回路もいつしか凍りつくように動きを止めて、まあ、あとは雰囲気で押し通すか、てな結論に落ち着いた。
風のいたずらで、今の世界の秩序は保たれているのかもしれない。
ひとたび風向きが変わっただけで、屍人が蘇り、子豚が空を飛び、カビゴンが線路に横たわるかも。
今や、私の頭の中の秩序は崩壊寸前で、論理的な思考回路は稼働停止となった。
風のいたずら、恐るべし。
1/17/2025, 1:14:50 PM