No name いろんなふたりやひとりの、概念や小噺

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きっともう二度とこの場所で再び会うことはないのだろう。まだ残る爪痕はじくじくと膿んで、何もかもが剥き出しの心臓に刺さる。この傷が消化することは、昇華することはあるのかないのか。燻っている日々で立ち止まっているのは自分だけだったのかもしれない。立ち止まっている自分を引き上げるその手を振り払った理由がすべての答えみたいだ。何があろうと秒針は時を刻み、日は登る。いくつもの亀裂が崩壊して光が差し込んだ、一人分広くなったこの場所で。なんにせよ、上手くやるよ。

2/11/2024, 6:25:48 PM