仁愛

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暗がりの中、そっと自分の体を抱きしめた。
暗いのは苦手だ…海のあの暗さを、光が届かない竹藪の鬱蒼さを思い出すから。帰らなきゃ…て思うのに体が震える。
俺が帰っても、喜んでくれる人なんていないんじゃないか…なんて考えてた。
そんな時に光が刺したのさ。バカみたいな話だと思うだろ?俺もそう思う…けど本当なんだ。
だからさ、主。
あんたのために刀を振ろうと決めたんだ。だから俺の帰る場所になってくれるかい?

212番 笹貫

10/28/2022, 11:13:08 PM