今回の人生は悪役らしい。
私は魔王城の最高幹部の子供として生活中だ。
称号こそないものの、年齢さえ高ければ幹部にも匹敵すると噂されているらしい。
訓練も、座学も、魔法も満点首席をまもっていたが、本当は、地位に興味はなかった。
親に殺される。
まだアレも現れないというのに、無駄死にはしたくないだろう。
今回の親は完璧主義だった。勉強も、運動も、魔法も、すべてが完璧でないといけない。そうでないと許されない。これが一族の家訓だそうだ。
まったく意味のないことをする一族だ、と笑うところだが、私もここにいるため、縛られるしかないのだった。
いつもの彼は人間で、勇者一行と旅をする戦士らしい。彼らしい、いい職だ。似合っているね。
私は、明日荷物をまとめて逃げ出すつもりだ。
もちろん倉庫からたくさん食料と武器を奪って。
殺されるかもしれないけれど、まず彼に会いに行こう。まあ、運が良ければ人間と間違えてくれるかもしれない。私、人型だし。
善悪は、誰かがかってに決めたものだ。
縛られる必要なんて、ないじゃないか。
4/26/2024, 10:50:43 AM