かっかっか

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『見つめられると』
人からの視線が怖い。自分が見定められているような気がしてしまうから。自分の何かがおかしいと無言の批判を受けている気持ちになってしまうから。
だから私は、人からの視線を避けて生きてきた。前髪は伸ばしているし、なるべく目立たないようにやり過ごしてきたつもりだ。
それなのに、何故だろうか。あの人の視線だけは怖くない。前に目があった時は、気恥ずかしさは感じたが、いつものように息が詰まるようなことはなかった。
友人がふとした時に向けてくる視線でさえ恐ろしい時があるのに、特段仲の良いわけでもないあの人が、何故。
確かに、穏やかそうな人だなとは思う。雰囲気であったり顔の造形が。でも、私の周りの人が特段激しい性格かと言ったらそういうわけでもない。
どうしてだろうと考えているうちに、またあの人の眼差しを思い出した。
……もう一度視線を向けられたら、どうだろう?
以前のは偶然で、いつものように恐怖を感じるのか、それとも。もし恐怖を感じないのだとしたら、これを克服するヒントがあるんじゃないか?それ以前に、私はあの人自体に興味を持っているのかもしれない。
今度は話しかけてみようか。人に話しかけるのなんてもちろん得意じゃないが、数回は話したことがあるし、あの人の雰囲気的に他の人よりは話しかけやすい。
一度、目と目を合わせてちゃんと会話をしてみたい。
……明後日、あの人に話しかけるチャンスがある。
予定を思い出しながら、そんなことを思った。
やっぱり勇気を出して話しかけてみよう。
私は小さな決意をした。


3/28/2026, 3:13:54 PM