るに

Open App

今日も明日も
ずっとふたり。
だって誰もいないから。
だってみんな消えちゃったから。
君も私も人間関係に疲れて
きっと楽園に来ちゃったんだ。
辺りには大きな雲があって
足元には透明な水が流れていて
上には水面が見える。
空の上なのか、
水の中なのか、
よくわからなくて
本当に楽園みたいだ。
君は不安そうに私を見る。
私はここが
綺麗だと思って
ずっとここに居たいって
思っちゃったりして。
でも君は帰りたそうだ。
私は私で、
雲に突っ込んでふわぁっとなって見たり、
寝転んで水面を見ていたり、
自由に楽園を満喫していたので
君は呆れて出口を探し出した。
近くの周りだけ探して
すぐ戻ってくると思ってたのに、
君はどんどん向こうまで行ってしまう。
待って、ここに居ようよ。
だって仲間外れも
無視も虫も嫌じゃん。
ねぇ、置いていかないで。
そう叫びたかったのに
声は喉でつっかえて出ない。
いつの間にか雲に隠れて
君は見えなくなっていた。
急いで追いかけたけど
君は何処にもいなかった。
君と私は
ずっとふたりだと思ってたのに、
同じだと思ってたのに!
力が上手く入らない。
膝から崩れ落ちて
透明な水しか見えなくなる。
きっと君は帰れた。
君は逃げなかったし
帰ろうと思っていたし、
家族と日々を過ごそうとしていた。
私とは
全然違ったんだなぁ。
涙は透明な水に染み込んで
見えなくなっていく。
"Good Midnight!"
いつか私も
ここじゃなくて
君のところに
帰れたら、
帰りたいと思えたらなぁ。

8/30/2025, 2:39:42 PM