56. 夢へ!
夢見心地という言葉もあるが、夢はそんなにいいものだろうか。夢の記憶を引き継いだまま目が覚めたり、日中に突然思い出されたりするのを未だに恐れ、嫌悪してしまう。そういう日は大抵上手く行かない。
眠りに落ちるときの浮遊感が癖になるくらいだから、眠ることは嫌いではない。充分に寝た日は演奏も勉強も家事も上手くいくことが多いが、一つには夢を見ることで脳がリフレッシュされたことも関係しているのかもしれない。
それはそれとしても、夢の記憶を現実世界に引き継がないでほしい。例えば、ある時母は誰かを殺して私に隠蔽させた。しかしいつもと何も変わらない様子で生活を続けるので、私もいつも通りの生活に戻れると思ったが 、もう口応えも喧嘩もできない。冗談を言うのにも冷や汗をかかなければならず、この先ずっと窮屈できつく糸の張った生活が続くことに気づき絶望する。ともすれば、またある時には殺人鬼に首を切られそうになる母を目の前に恐怖で声も出ない。母一人をとっても私は散々夢に振り回されてる。
夢か現か、では居心地が悪い。夢は夢、現は現。その境界が曖昧にぼやけるとなると、臆病な私はハラハラしてしまう。夢を喜んて受け入れられる日は果たして来るのだろうか。
4/10/2025, 3:15:59 PM