小音葉

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流星にはならないで
墜ちるならどうかこの胸に
まだ馴染まない私だけれど
あなたのことを受け止めてみせるから
骨が軋むほど、血の池が出来ても、叫んだのに
あなたは永遠になってしまった
置き去りになった瓦礫の山を、私は掘り返せずにいる

あなたは風になどなっていない
温かな肉の器も気高い魂も手放したりしない
信じていたのに、信じたかったのに
裏切ったのは私だった
託された記憶を火に焚べて、死んだ目をして生きている
あなたの誇りを汚してしまった
あなたの笑顔を忘れてしまった
虹色に染み付いた地面を沈ませて
あなたを隠して未来へ進む

孤独な狼、跳んで行く
厚かましく栄えた街を越え
当然のように守られた人々の頭上を走り去る
かつて枯れた心を潤した遠吠えはもう聞こえない
私のことも、きっと見えていないのでしょう
伝えたかった言葉を乗せて
潰れた喉に代わり、機械仕掛けの友が歌う
ありきたりの言葉を、力尽きてしまうまで

(最後の声)

6/26/2025, 11:50:32 AM