狼月

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お題 / 日の出
タイトル / 願いの代償は

嗚呼、また朝が来てしまった。
そんなことを考えるようになったのはいつからだろうか。今の僕には太陽の光が眩しくて仕方がない。

もっと、夜が長く続けばいいのに…。


『その願い、叶えて差し上げましょーう!』

は?

「え、声…!?どこから…ッ」

『どこからって、天からに決まってるじゃない!』

「天って…(笑)神様かなんかかよ…ッ(笑)」

『は?ノノが神様以外の何かに見えるわけ?』
(まぁ、正確には願いを叶える天使なんだけど)

「いやいや、そもそも見えねぇし」
「それに、いきなり私は神だ信じろ!って言われて信じると思うか?」

『そこで信じるのが人間なんじゃないの?』

「はぁ??信じるわけねぇだろ!」

『まぁまぁ、そんな怒んなって〜(笑)』
『これから君の願い、叶えてあげるんだから♪』

願い…
「…それって、夜が長く続けばいいのにってやつだよな?」
「その願いって今からでも変えることってできねぇの?」

『…変えたいの?』
『変えれなくはないけど、その代わり何か一つ私の望んだあなたに関するものを頂戴?』

俺に関するものをひとつ…つまり、俺の命の可能性も、あるって事か…でも、
「…わかった。」

『…願いは?』

「■■■■■■。」

『…本当にいいの?』
『…』
『…そう。じゃあ代償に、あなたの記憶を全ていただくわ』

「わかった。」
「それであいつに違う未来が来るのなら記憶なんて惜しくない。」

『…その願い、承りました。』
『叶える願いは、』



『彼岸さんが殺されること』



『願いはしっかり叶えました。そのうち誰かが彼女の死体を見つけることでしょう』

「あぁ、ありがとう。これでやっと…やっと…なんだっけ…俺は何を望んだ?」
「てゆうか、この声、なんだ…?」

…あー…。デジャブ感じるー…ノノの記憶だけ残せばよかったかしら?よし、そうしよう。めんどくさいものね。
『ノノのこと思い出せー!』

「うわっ…なんだ?他に何も思い出せないのにこの声だけは何かわかる…」
「おい、神。」

『ノノだってばー!せめて神「様」でしょ?』

「どうでもいいだろ…、せめて状況の説明だけでも…」

『そんなの、言うわけないじゃない。』
『それにしても、今のあなたにぴったりね。』

「は?…なにが」

『名前よ。親御さんもよく考えたものだわ。』
『まるで未来がこうなるとわかっていたようね。』

「…」

『あぁ、ごめんなさい。名前も覚えてないものね。』
『名前くらいは教えといてあげるわ。』

『あなたの名前は、「万寿(まんじゅ)」。』

『良かったわね。無事願いは叶ったのよ。もっと喜べば?』

「…何も、分からないんだ。思い出せない…」

『これはあなたが選んだ結末だからね。』
『選択肢はしっかり見定めないと。』

『じゃないとあなたの人生も望まない結末になってしまうかもしれないわね。』

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彼岸、万寿 / 名前の意味
彼岸→彼岸花から。
彼岸花はお彼岸の時期に咲くことや球根に毒があることから死を連想させる花です。

万寿→マリーゴールドの和名である「万寿菊」から。
花言葉は、「嫉妬」「絶望」「悲しみ」

1/4/2026, 1:44:54 AM