僕は後悔を消し去りたい。
あの日の選択を、過ちを、無かったことに──
…なんて言っても、実際、僕は漫画の主人公ではないし、過去を改変出来る世界線にいる訳でもない。
だから、
消えないなら、せめて葬ってしまおうと思った。
たくさんある後悔はクローゼットに隠してきたけど、このままじゃ可哀想かなって。捨てたくはないし。
そうと決まれば埋めに行こう。思い立ったが吉日なんてことわざがあるくらいだし、早いほうがいいだろう。
やっぱり木の近くとかがいいかな。
なんとなくロマンがあるし。
あれこれ考えてるといつの間にか大自然にいた。
いや、ちゃんと自分の足で来たけれども。
早速いい感じの木を見つけて、いい感じの穴を掘り、リュックに詰めてきたおもちゃやら雑誌やらを丁寧に入れていく。
どれもきれいなままのそれらは、女児向けやら女性向けのもの。簡潔に言うと、これらが後悔そのものだ。
まぁ、色々あったんだ。色々ね。
こんな形でしか弔うことが出来ないけど、もう後悔しないって決めたから。これでけじめをつけるんだ。
一緒に悩んでくれてありがとう。
でも、なんで僕は普通じゃなかったんだろう。
[後悔]
5/15/2024, 10:12:26 PM