夢見てる

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意味がないこと

貴方の目線の先はいつもあの中尉さん。そんな彼の1番にはどうやってもなれないことなんてわかって
る。でも私は幼いから少しだけ駄々を捏ねて心の中で中尉さんに抵抗する。
彼が好きだと言っていた服を着て、彼の好きな匂いを纏って彼に微笑んでも、彼が可愛いと言っていた髪を結って彼の前でわざとらしく揺らしても、貴方は「お前はいつまでも餓鬼だよな」と意地悪げに私を嗤って、せっかくあなたを想って結った髪を平気でぐしゃぐしゃにする。その度に私はあぁまた勝てなかったのかと、顔も知らない中尉さんに酷く嫉妬してしまう。
もし彼に「あなたの事を一番に慕っております。」と伝えても彼の中の1番は、あの中尉さん。
いくら意味のないことでもいつか少しでも彼の心の隅にほんの片隅に私の存在があって欲しいって思ってしまうのは、私の幼い我儘ですね。もし私が少し大人になったら彼の心に、なんて

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11/8/2021, 10:41:47 AM