終わらない仕事について(テーマ 現実逃避)
現実逃避とは、現実にやらなくてはならないことから、意図的に意識をそらす行為だ。
学生なら宿題、社会人なら仕事や家庭の問題などが、まあよくある対象だ。
そう、つまり。
『今、君がやっていることだ』
私の頭の中の想像上の友人、イマジナリーフレンドは、こちらを指差した。気がした。
イマジナリーフレンドは私の想像上の存在で、身体がないから、気がするだけだ。
『そろそろベッドから出ないと会社に遅れる』
「昨日も23時まで仕事だったんだけど。」
『なら休む?急な体調不良だと連絡すれば休めるでしょう。』
「そして、2日分溜まった仕事で、翌日からは夜中にも帰れなくなるわけだ。」
仕事は日々やってくる。
前回までの仕事に「改善」とか「効率化」とかの名前がついた雑務が追加され、雪だるまのようになる。
そのような雑務を、前回と同じ時間で終わらせるために個人で思いつく限りの「効率化」を行う。
そうして繰り返すことで、最初はシンプルだった作業は複雑怪奇になってしまう。
その手順は本人しかわからない、できない形になってしまい、人に容易に任せられなくなる。
職場の中に「職人芸」ができてしまうのである。
一方、雑務が増えた仕事を、できる範囲しかやらない人もいる。
範囲の外側を切り捨てて、「業務時間内に終わりませんでした」と帰ってしまうのである。
しかし、仕事は消えてくれないため、上司が職人芸を駆使して片付けるようになる。
こうして、「効率化」「働き方改革」の掛け声だけ叫ばれて放置された職場は、もはや他人に渡すのは暴力というべき形になった仕事爆弾を抱えた職人と、能力の向上しない使いっ走りに二極化してしまう。
『こうして、考えても解決策まで行かないことをグルグル考えるのも、一種の現実逃避だよね。』
耳が痛い。
現実逃避だろうがなんだろうが、とにかく、少しでも爆弾を処理するために職場へ急ぐのである。
これを繰り返しても、根本的解決にならないという「現実」に目を背けて。
2/28/2024, 3:37:54 AM