嵐が来ようとも
小さいころのこと、大きな台風が住んでいる地域に上陸したことがあった。
夜が深まるにつれ、川が増水してあっという間に氾濫してしまった。私の家は平屋だったので、気がついた時には家の家中まで水が入り込み、避難を余儀なくされた。
しかし父は消防団として外に出ていて、家には母と兄弟2人たったこともあり、母はどうやって避難したら良いのか悩んでいたらしい。
この時は、隣の家の人が声をかけてくれて、私たち兄弟をおんぶして高台にある近所の人の家まで連れてきてくれた。
私はその時のことをよく覚えでいないが、近所のおじさんがザブザブと歩く水の音やおじさんのピンク色のシャツの肩に小さな葉っぱが付いていたことなど所々覚えていることがある。
近所付き合いなんて希薄にになっている昨今だけど、少し昔は嵐が来ようともみんなで助け合う風景がたしかにあった。
台風や地震などの自然災害の時だけでなく大切にしていきたい絆だ。
7/29/2024, 12:34:46 PM