「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」
夏の空でも光り輝く夏の大三角形。
「鉄朗でも星の名前、分かるんだね」
部屋のベランダからタオルケットに包まり、真夜中の空を見上げる。明日は2人とも休みだから多少の夜更かしだって許される、特別な時間。
「お前、俺の事馬鹿にしてる?」
「いや、星なんて興味ないのかなって」
「そりゃ詳しくは知らねぇけどこれくらい分かりますよ」
時間も時間だから周りには雑音がなく、自然の音だけが聞こえるのが心地良い。
「もう少しで七夕だから空の織姫と彦星も会えるね」
「星の時間と俺らの時間は違うからあれって結構な頻度で会えてる事になるらしいぜ」
「えー、そうなんだ」
それでも毎日会えないのは寂しいだろうな。
そう思いながら鉄朗の胸に擦り寄れば優しく肩を引き寄せられる。
「ま、俺はお前と会えない日があるのはごめんだけどな」
考えてる事が同じで思わず笑えば鉄朗も笑って優しく口付けされる、そんな夜。
-星空-
7/6/2024, 10:00:30 AM