NoName

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あの人の放つ言葉は、良くも悪くも辛口な評価が目立つ。
きちんと相手を敬う姿勢を持ちながらも、年上にだって物怖じしない口振り。
そこから繰り出される発言力とくれば、いっそ清々しいまでの棘が突き刺さるレベルだ。

けれど、それらが口だけで終わる人物ならまだしも、彼と近しい者は皆が「その裏」を知っている。

他の人たちへ向ける指摘以上に、まずなによりも自らへ課すあれこれが多いのだと。
日常は厳しい向上心で埋め尽くされ、頑ななまでに管理されきった上で、彼の全てが成り立っているということを。

目指す対象とするには正直ハードルが高すぎるなと、割と早いうちから思ったことだってある。
しかし例え無理無謀であろうとも、弱く甘えがちな己にとっては、恐れ多くも憧れの先輩なのだ。

【誰よりも、ずっと】

4/9/2024, 2:23:20 PM