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10/27「紅茶の香り」

 目の前にティーカップが置かれる。ふわり、と懐かしい香りがした。
「どうぞ。聞くの忘れてたけど、紅茶は飲めるよね?」
「うーん…、多分」
 茶葉の名前は覚えていない。砂糖を入れても、ミルクを入れても、どうも舌に合わなかった紅茶だ。ただ、香りは嫌いじゃない。 
「ミルクか砂糖いる?」
「うん。…あ、やっぱりいいや」
 久しぶりに、向き合ってみる事にした。昔付き合ってた彼女との記憶に。

(所要時間:8分)

10/27/2023, 11:24:41 AM