私はあの時、岐路に立たされていた。
そう気づいたのはいつだったか。誰かが、自らの人生を振り返って話しているインタビューを見た時か。それとも、今こうして岐路のことを考えている時か。
私にはまるで他人事のような、完全に自分事とは思いきれなかったあの選択肢は、私の今を決定づけるものだったのだろう。とはいえ、私にまたそのような岐路に立たされた時、私は今自分が岐路に立たされてると気づくことは無いだろう。
だって、私には自分事のようにちゃんと感じることは出来ないだろうから。これまでも、これからも。何度やり直せるとしても。
『岐路』
6/9/2024, 8:00:17 AM