NoName

Open App

人生が進むたびに薄暗さを増していく。沈む夕日のように淡々と時は過ぎ去り晩年が見えてくる。濃淡はあれど乏しい色彩で染まりながら景色が変わっていくと、そう感じていることこそが感性が萎んでいるのかもしれない。黄昏時の朱に染まる世界を眺めて同じ色に染まる自分の姿がその世界に融けていく。それでも心の中の薄暗がりまでは染まることなく影だけがそこにある。世界に染まりきれないものを抱えるようになる。

4/7/2024, 5:37:33 PM