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3「透明」
神永小雪 彼女は「透明で純粋」と表現されても違和感が無いほどに、隠し事もせず、誰にでもオープンに接する明るい生徒だ。
そんな彼女が想いを寄せていた人、佐藤将が先日亡くなった。さらに殺されたなんてきいたら......

先ほどの暗い表情とは一変して怒りでひどく濁ったような顔、私は彼女のそんな顔見たことがなかった。
小雪「こ、殺されたって......なに?」
話をしていた健達も驚き、本能的な恐怖を感じたのだろう誰も口を開く事ができなかった。
もう一度小雪が「殺されたって何?」とさっきよりもはっきりと問う。健はなんとか口を開き、今までの話の内容を小雪に話した。すると
小雪「見つける......私が犯人を捕まえる。」
健「まだ確定したわけじゃないし、警察は事故だって.」
兎美「殺人だってそんな殺されるような人じゃなかっ...」
小雪が話を遮って「そんなのわかんないじゃん!!殺されたかもしれないんだよ!?なのにじっとなんてしてられないよ!!!」教室に声が響き渡る。
小雪「みんなで真相を突き止めようよ......じゃないと将くんが報われないよ......」話に参加していなかった者達も集まり始める小雪の周りに集まり始める。
柊斗「殺された可能性はある。やらずに後悔するより、俺は動いて後悔するのはごめんだ。俺は小雪に賛成だ、将のためにもそこら辺の事実は確認しておきたい。」
彼に続いて、いつもは無口な鬼義優も「やれるだけやってみよう。一人じゃ無理でも35人みんなで協力すれば真実を明らかにできるかもしれない。俺も賛成だ。」彼らに続いき「私も」「僕も」と続いていく、だんだんNOとはいえない雰囲気になり......最後の最後に賛成してしまった。いくらクラスメートが死んだとはいえ、俺にはやらなければならない事がある。寝たきりの少女を救わなければならない。そのためにこんな山の中の学校に入学したんだ。
そんな俺を置いてきぼりに話は続いていく。
簡潔に話の内容を説明する
まず、どのように調査するのかだが、「犯人は現場に戻ってくる理論」を使って張り込みをしようというのだ。もちろん反対したが、あそこの工事は1年間しており何が作られているのか誰に聞いても分からないらしい。いくら何でもそれはおかしい、現場は住宅街の近くだ、説明会ぐらいはあったはずだ。なのに誰も分からない。そんなところが事故現......殺人現場だって言われたせいで少し殺人の信憑性がでてきた。
健「今月の20日に俺たちは長期休暇に入る。そこから皆で交代制で張り込もう。20日までは俺と大斗で見ておく」
柊斗「その必要はない。俺の組、人数だけは多くてな、学校中はうちの奴に見張らせたる。他にも組の奴らに事件の情報も調べさせとく、任せてくれるよな?」
健「そ、そうか。皆もそれでいいな?なにか怪しい奴らがいたら必ず連絡するんだ」
柊斗「ツーブロックのチャラチャラした服着てんのはうちの組やからきーつけてな」

えっ組?ヤクザなの柊斗って!?怖っ。そういえば、チャカが見つかってサツだなんだかんだ言ってたな......。
そんなこともあったが最終的に警察に知り合いがいる藤波心春や将が見つかった工事現場の現場監督と父が友人だという渚健勇など36人皆で協力して捜査することとなった。
長期休暇までは後4日だ。
あの子のお見舞いもあるし、俺はこんなことしている暇なんて無いのに......どうにかして作戦から抜け出せないだろうか
つづく

5/22/2024, 4:07:03 AM