スープ

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木枯らし2号は直にやってきた。息子が死に、悲しみに沈んだ老夫婦には病の影が迫り。円安の日本。そんな物語のメタファーではなしに木枯らし2号はやってきたのだ。最も、多くの人間は木枯らしに興味なんて無い。気象庁の長だって木枯らしの好きな食べ物や嫌いな色、恋愛経験や将来の夢について知っているわけではない。だから今日は彼ら(彼女ら)について知っていることを少しだけでも共有しておこうと思う。
『木枯らしに関する研究結果』
筆者は長年木枯らしについての研究を重ねてきたが先日、或る友人の仲介の下、木枯らし3号との対談が実現した。如何なる学問も論より証拠、筆者の必死の研究も当人の証言には及ばない物である。そこで本レポートでは3号との対談の一部を抜粋し註釈を加えながら掲載しようと思う。何はともあれ多くの研究課題が解消され研究が大きく進歩したことは喜ばしい限りである。また対談に関わって頂いた木枯らし3号、友人Aをはじめとした全ての関係者の方々にはこの場を借りて感謝を申し上げたい。以下対談抜粋。

―宜しくお願いします。
木枯らし3号(以下3号)「はい。宜しくお願いします」

中略

―3号はどこで生まれたのですか。
 3号、得意そうに微笑む。
3号「実は木枯らしは皆同じ場所で生まれるのです。   同じ環境で生まれ、同じ環境で幼少を過ごす。      木枯らしたちは皆兄弟のようなものです。」

―では木枯らしが日本にやってくる順番というのは   どのように決まるのでしょうか。
 微笑みが固まる。鼻を触り真剣な眼差しになる。  
3号「成人した順番というのが本来です。しかし今年       は少し勝手が違いました。」



今日はここまで 木枯らし

1/17/2023, 2:36:23 PM