#好き嫌い
「すき、きらい、すき、きらい、すき、きらい……」
「すき」
はぁ、何やってんだろ俺
こんな歳になってまで花占いして舞い上がって…、ピュアかよ
地面に落ちた桃色の花弁のそばに残った筒状花を捨てる
「あ、いた、らん」
「何してんの?」
「花占い」
「は?なんで?」
「好きな人でもいんの?」
「まぁ、想像に任せる」
『いる』とも『いない』とも言わない。何を言っても面倒になりそうだから、適当に解釈してもらおう。
いるまは、俺が言った言葉に考え込むような表情をする。てっきり、笑われるのかと思ってたのに。
「いるま、?」
「あぁ、ごめん」
「で、どうだったん。占い」
「好き、だって」
「ふーん」
「まぁ、占い特に信じてる訳じゃないけど」
「じゃあなんでやってんw」
なんで…、、
チラリといるまの顔を覗く。横顔もかっこよくて、ついつい見つめてしまう
「なに?」
「なんでもー?」
「…そうだなぁ、信じてる訳じゃないけど、信じたくなる時はあるんだよ」
6/12/2024, 4:09:40 PM