窓越しに見えるものは何もない。
夜だから外は暗い。
部屋の照明も落としているので、窓に部屋の様子が映し出されることもない。
闇だけがここにある。
その中に私はいる。
自分の姿すら見えない世界は、まるで、世界が全て溶けて消えたような気にもなる。
自分も他人も無くなって、闇だけが存在する。
そんな気がする。気にするだけだ。
明かりをつければ、ほら、また境界線が引かれる。
私という名の境界線が。
窓に、私の顔が映し出される。それが嫌で、窓を叩き割りたくなった。
7/1/2023, 12:11:16 PM