「えっ、傘忘れたんだ。めずらしいな。」
自分はけっこう真面目だしどちらかというと人に頼られるタイプの人間だ。忘れ物は基本的にすることはない。
つまりなにが言いたいかって、朝は雨は降っていないけれど1日中どんよりとした天気で放課後もしかしたら雨が降り始めるかもしれない今日みたいな日に、折りたたみ傘を持ってこないなんて普段の自分では考えられないっていうこと。
「一緒に帰らないか?」
もしかしたらって思ってた言葉が彼から聞けて心が踊りだしそうなくらい舞い上がる、それを表に出さないよう返事をしてひとつの傘に普段より近い距離のまま帰り道を歩く。
家では置き去りにされた折りたたみ傘が玄関で私を待っている。
6/15/2024, 5:59:39 AM