お題『沈む夕日』
電車が止まってしまって
いつもと違う帰り道
今日は普段より荷物が多くて
キャリーを引く手が少し重たい
一駅くらいならって歩き出したけど
思ったより遠くて
キャリーの音がやけに大きく響く
そんなとき
ふとたどり着いた橋の上で
足が止まった
川沿いに並ぶ桜が
ちょうど満開で
沈みかけの橙色の夕日に照らされて
桃色の花びらが
ひとひら ひとひら
キラキラと光っていた
風が吹くたび
桜吹雪がふわりと舞って
空までやさしく染めていく
ひらひら舞う花びらの中で
さっきまで重たかったはずの
キャリーも
少し軽くなった気がして
遠回りになったはずの今日が
少しだけ特別に変わっていく
疲れてたはずなのに
もう少しだけ歩いてもいいかなって思えた
沈む夕日は
終わりじゃなくて
こんな景色に出会うための
合図だったのかもしれないね
4/7/2026, 11:59:46 AM