彗皨

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「…綺麗だね。」
夜景の見えるレストランとか、ほんとばか。
ありきたりすぎるでしょ
「よ、喜んでもらって嬉しいよ、笑」
はあ 照笑とか漫画みたいね。

「早く料理来て欲しいね。」
「そうだね。コースにしたからかな。あ、もしかしてコース、嫌だった?」
私がせっかちみたいなふうにするのやめてくれる?
「ううん大丈夫。」
「そっか、なら良かった」
『……』

はあ、無言はきつすぎ。有り得ない。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね。
お料理来たら先食べちゃってていいよ」
「わかった、いってらっしゃい」

御手洗___
「はあ、本当ありきたり。私はそんなありきたりな手にのる安い女じゃないんだけど。」
「第一、今日プロポーズなのまるわかり。
女の勘なめられても困るっつーの」


「ただいま。ごめんね遅かった?」
「大丈夫だよ それより料理来たよ 食べよ」
「うん、いただきます」
柔らかいお肉が口の中に溶ける
こんなの、「美味しい」そういうしかないでしょう?
「んー!美味しい!こんなに美味しいお肉、初めて食べたわ。」
女特有の演技をここで発揮。
「笑なら良かった 野菜も食べな」
「ありがとう。なんだか新鮮そうな野菜でドキドキしちゃうなー笑」
んなわけあるか。こんなんでドキドキしてたらさっきの肉なんてナイフで間違えて自分刺しちゃうくらいには美味かったわ。
「ん、美味しい!○○君も食べてよ
ほら、あーん」
「えぇちょっと、笑恥ずかしいよ。
んんっ…ん!美味しいね」
「でしょ?笑」
「あーんは恥ずかしかったけど野菜は凄い美味しかったよ。」
「なんでよー笑」
正直、幸せだ。
あーんも初々しいカップルがやることというのは重々承知だがそれでも幸せだった。

会計後___
「今日はありがとう。こんな素敵な場所に連れてきてくれるだなんて考えもしなかった、!笑」
「……ううん、楽しんでくれたなら良かった。」
「…さっきのレストランから見た景色も綺麗だったけど、今こうして海を目の前にするとなんだか不思議な感じだね笑」
「そうだね、、。」
しばらく無言で海を見つめた。

(めっちゃ緊張してるじゃんコ イ ツ !もうまったく、ちゃんと予習してたわけ??はあ、こんな野原座って星空と海見るとか私何してんだろ…
いつもだったらこの時間はアニメ見てポテチ食ってコーラ飲んでるよなぁ…はあ、、)

「…あの。」
「ん?どうしたの?(キタキタキター!!!くる!くるぞ!!)」
「…その、俺さ、6年前に星羅(せいら)と出逢えて本当に良かったと思ってて」
「それは私もだよ!笑」
「俺は、6年間星羅の彼氏をやってきたけど 星羅と俺はカップル以上の関係になっても、これ以上ないくらい幸せにやっていけると思う。」
(いやセリフ臭すぎー!!!何キザにキメちゃってんの?早く愛の告白までいけよ!!)
「う、うん…そうだね。」
「だから……俺と…」

「結婚してください。」

「もちろん。」
私の答えは、海の魅力と彼の努力には逆らえなかったんだ。

8/23/2023, 8:59:56 PM