貴方と私の顔が赤く照らされる。
1つの光に何色もの色があって。何色か言えないけど、綺麗だと言う事実は言える。
秋にしか見えない紅葉と夕日で貴方と一緒に見て、これほど
綺麗な秋はないだろう。
貴方の横顔は赤く染められていて、かっこよくて、私の心も
赤く染まったんだ。
「綺麗ですね。秋にしか見えないって言うか…」
貴方が得意げに喋り出す。その姿が愛おしくて、秋が好きに
なった。
今日の為に塗った、紅色のリップ。貴方はまだ気付いてくれて
ないけど。この夕日の色と同化して分からないのだろう、そう自分に言い聞かせた。
「私、今秋好きになりました。誰かさんのおかげで笑」
意地悪な笑みを浮かべた。貴方の顔が少し赤くなった気がするのは、夕日に当たっているからだろう。
「それは、嬉しいです…」
照れくさそうに貴方がいう。それと同じように私も照れて
しまった。
お互い沈黙が続く。夕日と紅葉、隣にいる貴方。
絵になっていて、キャンバスが欲しいくらいだ。
ベレー帽を被った貴方はどんな感じなのだろう、そんな妄想をしていると自然と口元が緩んだ。思わず笑ってしまう。貴方がこちらを見ているのが分かった。けど今見てしまうと
恥ずかしいから私はわざと気付いていないふりをした。貴方を見たい欲を抑えて。今はこの景色に集中しよう。
そうすると貴方は私の肩を叩いた。振り向くと唇に指を当てていた。私は首を傾げる。そうすると、
「口紅、似合ってますよ。ずっと気付いてたんですけど
恥ずかしくて言えませんでした。似合っていたので…」
不意打ちだ。耳が赤くなっていく。ずるい。急にそんなことを言うのはずるい。ほんとに狡い人だ。
そんな私の紅色のリップは今でも私の宝物だ___
テーマ 紅の記憶
11/22/2025, 10:59:11 AM