わをん

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『星空の下で』

昔も今もこの先もずっと星のことを想っている。
月の見えぬ空を埋め尽くすほどに星が輝いている。私の生きる前から輝く星は私の死ぬまでを見つめ続けるだろうか。それとも今見えている光はとっくの昔に滅びた星の光で、私が見届けているのは星の輝きの終わる瞬間なのだろうか。
空に星の流れるさまは人の生きて死ぬを思い出させる。永遠というものはありもしないが、永遠を乞い願う心ならいくらでもある。時は止まらない。夜はいつか明ける。たとえどれほど願っても、ひとつの星は空に流れ続けない。
人の見上げる空に星は輝く。銀河を征くのは夢のまた夢。月に乗るのも夢まぼろし。けれど星に手を伸ばし続ければいつかは手に取ることも叶うだろう。眠りの中で砂糖菓子のように甘い星を頬張りながら宇宙を漂う夢を見ている。

4/6/2024, 6:37:17 AM