-いと-

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新月のある日、夜空に願い事をした。
「同級生に会えますように。」
数日後、町中を歩いていたら、偶然同級生に会った。自分よりも背が高いが、顔は当時のまま。懐かしい気持ちに浸った。もう2度と会えないのではないか、と思っていた。ずっと話していても時間が足りなかった。また会おう、と約束をしてこの日は別れた。
半月が見える頃、同級生とカフェで待ち合わせをした。このカフェは自分の行きつけの場所だった。彼の行きつけも同じだったことに驚いた。自分はエスプレッソとチュロス、彼はココアとチョコドーナツを頼んだ。彼はココアの中に粉砂糖を入れて飲んだ。流石甘党…いや、甘すぎるだろ。この日はのんびりと話し、次は買い物に行こう、と誘ってくれた。
満月の頃、待ち合わせ場所のお店に行った。だが、時間になっても彼が来ない。しばらく待ってみることにした。どれだけ待っていても来ないので、1人で買い物をして自分は帰った。
何度メールを送っても、彼の既読がつかない。自分は諦めることにした。
「また会えればよかったのに…」
月に向かって呟いた。

※フィクション
【お題:月に願いを】

5/27/2024, 9:27:29 AM