"きっと明日も"
あの5年間、明日になんの活力も見出さなかった。
ただ単純に、明日に《何も感じなかった》。『明日どうするか』とか普通の人なら考える事も『また明日が来るのか』とか悲観する事も、本当に何も思わなかった。絶望なら1年足らずの内に、これでもかっていう程この身に受けた。あれ以上の絶望は無い。だからと言って、俺なんかに見出す希望も無い。希望も、絶望も。だから俺は明日に《何も感じなかった》。
そんな俺に、ちょっとの希望が指してきた。それはだんだんと、自分が望んだ形ではないが、希望と絶望が俺に明日を生きるだけの活力を与えてくれた。
そうだ、この感覚だ。こんなにも胸が揺れたのは久々だ。もっと、もっと欲しい。こんな俺でも、明日に《何か》を感じていいのなら、感じたい。ちょっとの希望でも、ちょっとの絶望でも、欲しい。明日に《何か》が、俺の胸を震わせてくれる《何か》が。
そんな俺が、普通の人のように、あの時までの自分のように、当たり前に明日を考えるようになった。これを喜んでいいんだか、どうだか…。けど、普通の人みたいに明日を考えるようになって、考えている時間が好きになって、今日よりも良くしようと準備する時間が好きになった。今日を生きて明日に《繋ぐ》事をしていこう。これからも、この《当たり前》ができるように。
9/30/2023, 12:18:36 PM