好きです、付き合ってください。
そんな告白を受けるお前を、離れた所で待つ。
もう疾うに見飽きた光景だ。
今まで貰ってきた好意は相当な量になるだろう。
でも、それを全部併せたより、俺の方がずっと。
届かぬ想いなんてよく言うけれど、これは違う。
決して届けてはいけない想いだ。
だから舌の上でだけ転がして呑み込む。
――俺の方が、誰よりお前を想ってるのに。
申し訳なさそうに女に頭を下げて、
こちらに戻ってくるお前を俺は平静装って待つ。
いつまでこんな日が続くのだろうと思いながら。
4/16/2023, 9:46:40 AM