寒さが身に染みて
寒いね、なんて笑い合っているうちはきっと寒くなんてなかったんだ。
君が隣にいて、手を繋いで、わずかな熱を分け与えあって。心はぽかぽかとあたたかくて、寒いのに、寒くなんてなかった。
けど、君が隣にいないだけで、手を繋がないだけで、身に染みるほどの寒さを感じるんだ。
頬を突き刺すような風が、空いた心の隙間を通り抜ける風が冷たくて、痛くて。
でも泣いたところで君を困らせるだけだから。今日もいっぱい着込んで、誤魔化すんだ。君なんていなくても、大丈夫だよ、なんて自分に嘘をつくんだ。
1/11/2023, 2:00:28 PM